人の話を真剣に聴くと吃音が改善する
「傾聴」はマインドフルネス
人の話を真剣に聴くというのは、カウンセリングでいう「傾聴」になります。
また「傾聴」は「マインドフルネス」にもつながります。
なぜかというと、傾聴の大きなポイントは、クライアントに評価や課題を課さない、つまりジャッジをせず、ありのままを受け入れることで、
マインドフルネスも、今ここに集中し、気づいたことをジャッジをしないことだからです。
私は、吃音カウンセリングを学び、吃音時の内臓感覚や内受容感覚を自覚することが
クライアントの自然治癒力を強め、吃音を改善出来るカウンセリングをしてきましたが、それはそのままマインドフルネスであることに気がつきました。
傾聴の聴き方とは
先ずは傾聴についてお話します。
傾聴大きなポイントは、さきほど書いたようにジャッジをしないことです。
では、ジャッジをしないこととは具体的にどのようなことでしょうか?
例えば、あなたの友達が人間関係であなたに悩みを打ち明けたとしましょう。
あなたは、どのように聴きますか?
①その友達にも悪いところがあるかな?
②自分にも同じ経験があるな。
③よくある話だな。
④この人いつも同じことで悩んでいるな。
割とこんな聞き方をしている人は多いのではないでしょうか。
私もカウンセリング以外では、そう思う時があります。
しかし、これは全部ジャッジしています。
なぜなら、相手や自分の過去を意識したり、まだおこっていない未来を想像し、過去や未来と比較しているからです。
それは、自分の判断を入れている=ありのままを受け入れていない、ことになります。
傾聴=マインドフルネスのポイントは、「今、ここに意識を向け、ジャッジをしないこと」です。
では、これを吃音に当てはめてみましょう。
どもっている時に、
①自分への評価が下がるかな。
②以前この言葉でどもったな。
③いつもどもってるな。
④これから読むところはどもりそうで不安だな。
これも、ジャッジしていますね。
①は相手からジャッジされている=自分で自分をジャッジしている。
②今ではなくて、過去の経験から判断している。
③今、過去、未来がごっちゃになっている。
④まだおこっていない未来を考えて予期不安をおぼえている。
「今、ここ」に意識があるときは、どもらない
私はカウンセリングの最初に、連想ゲームをすることがあります。
「夏」と言ったら、次の人は間髪いれずに「スイカ」と言う。
強制的に頭に浮かんだことを言う訓練です。
これはジャッジする暇を与えない意味もあります。
電車で、足を踏まれたらとっさに「痛い」といいますね。
その時にどもる人は多分いないと思います。
これも、ある意味「今ここ」だけの意識です。
感情が高ぶっている時、喧嘩しているときもどもりません。
過去や未来を考えている暇がないからです。
どもるときはほとんどが、過去のつらい経験や、これからおこることへの予期不安からきています。
その時は「今ここ」への意識が弱いのですね。
では、どうしたら傾聴力をつけて吃音を改善出来るのでしょうか。
傾聴力のつけ方
私が行っているグループカウンセリングでは、吃音者どうしお互いに
話合いますが、誰かが話している時はその人はクライアント役、周りはカウンセラー役となり、その人の話を真剣に聴きます。
ジャッジをしないで、今ここに意識を向けながら話を聴くと、
自分の中になにかが自然に沸き上がる感覚がありますから、それをお話していきます。
それに対して、また周りが傾聴する、、。その繰り返しです。
カウンセリング初期は、間違いなく皆さんこれが出来ません。勿論、これは理想であって、皆さんはプロのカウンセラーではないのですから、自分の判断や過去の経験、未来の予測が入ってきます。
それを修正するのが、ファシリテーターとしての私の役割です。
そしてこれが出来てくると、浮かんだことパッと言えるようになり、吃音が減ってきます。
勿論、カウンセリング以外では浮かんだことをパッと言える状況は少ないので、それはそのままでは行きませんが、どもりそうになった時に、自分を冷静に観察する力はついてきます。
今ここで、自分の身体に何がおこっているか?に集中することです。
それも吃音の改善につながります。
なぜ改善するかはこちらをご覧ください。
https://star-cling.com/?p=690
そして何よりも、感じたことをそのまま話すことの気持ちよさが分かるのが大事です。
それはそのまま「今を生きる」ことにつながるからです。
しかし、どうしてもジャッジをしてしまう癖は出ると思います。
これは、そういう社会に生きているのですから、なくなりません。
ジャッジをする見方、しない見方を使い分けることが大事だと思います。
人をジャッジしないことが、自分を受け入れることに繋がる
私がおすすめするのは「人をジャッジをしないようにすること。」です。
これもグループカウンセリングで学ぶことが出来ますし、
普段の会話でも意識出来ることです。
そもそも会話とは、ジャッジしないものです。
廣瀬先生はこう仰いました。
「おしゃべりなんていうのは、誰かが話したことを聴いて
自分の中に沸き上がったものをお返しするのがおしゃべりなんです。
おしゃべりは話すことの基本形なんです。
話を聴いてあげる、聴いてあげたら必ずそこで何かが沸き上がってくる。
沸き上がったら、沸き上がったことをお返しする。」
これがカウンセリング初期だと、相手の話を聴いても自分の言いたいことに話を持っていったり、まったく違う話にしたりすることが多いです。
当然話はかみ合わないし、つまらない会話になります。
カウンセリングが進んでくると、楽しい会話となり、気づきも多くなります。
そうなればカウンセリングも終結です。
そして、しばらくして吃音に変化が現れます。
まとめ
まとめると、真剣に話を聴く→相手をジャッジしない→自分と自分の吃音に対してもジャッジしない→今に集中する、今の瞬間を生きる感覚をつかむ→吃音が改善する
となります。
ジャッジしないで会話をするのは、とても楽しいものです。
ぜひ、経験していただきたいと思います。