吃音改善に最適な相談先とは?

吃音の悩みや、症状を改善したいと思ってどこに相談すれば良いか?悩むかたも多いと思います。
そこで、相談の内容によって、どこを選べば良いのか?について、治療と援助、言語面と心理面から説明したいと思います。

吃音外来

まずは、病院での治療があげられます。
主に「耳鼻咽喉科」もしくは「精神科」となりますが、直接吃音の治療を行っている精神科は、私は聞いたことがありません。
(吃音の予期不安やうつの症状に対しては治療は行われています。)
事実上、吃音の医療行為を行っているのは、吃音を専門とする耳鼻咽喉科の医師です。
また、耳鼻咽喉科であっても、心理療法である「認知行動療法」を行っている病院もあります。
障害者手帳を取得するには、医師の診断書が必要ですので、この場合は吃音外来に行くことが必要です。
ちなみに「治療」とは、医師法上、医師が患者の症状に対して行う行為を指し、医師以外の施術者が行う行為は治療とは認められません。

言語聴覚士

言語聴覚士は、音声機能や言語機能、聴覚に障害のある人の機能維持・向上を図る専門職です。STとも呼ばれます。
総合病院や、一般病院のリハビリテーション科、耳鼻咽喉科などの医療機関に属しているか、独立開業している言語聴覚士もいらっしゃいます。ただし、言語聴覚士の仕事は多岐に渡るので、吃音を専門にする言語聴覚士でないと対応は難しいと思います。
援助の内容は、言語訓練(流暢性形成法、吃音緩和法)、環境調整、リッカムプログラム、DCM(デマンドキャパシティーモデル)が主ですが、近年は心理面やマインドフルネスでの援助も行うかたが増えている印象です。

心理カウンセリング

実は、心理カウンセリングには2種類あります。それは「臨床心理学」と「カウンセリング心理学」の違いです。
「臨床心理学」は、医学的治療的ケアで、精神科の医師の指導のもと、臨床心理士が行います。
対象としては、医師から「精神病」(うつ病や、統合失調症)などと診断された患者さんに対して行う心理療法です。
それに対して「カウンセリング心理学」は健常者が対象です。精神病を治すためではなく、少し心のバランスを崩した比べているかたが、カウンセリングを通して、よりよく生きることが目的です。

「カウンセリング心理学」は具体的には、
a)精神的ストレスの軽減やトラウマ的経験による条件付けなどによる誤った反動形成の修正
b)吃音をかかえる二次的障害(社交不安)、職場や家族関係、人間関係などへの対応,悩みと共に生きていける心の器を育てること
となります。
つまり、カウンセリングは吃音だけではなく、幅広く人生全体を含めた悩みが守備範囲となり、ここが医療や言語聴覚士のサポートとの大きな違いです。
デメリットを上げるとすれば、カウンセリングで社交不安は割と早く減らすことができますが、吃音の症状を改善するのは、ある程度時間がかかることです。
ただ、言語訓練で一時的によくなっても、心理面で改善していなければ元に戻ることもあるので、結局、成人の吃音は早く治るケースは少ないと思われます。
「心理カウンセリング」のメリットをあげるとすれば、「吃音を治す」のではなく「心の器を大きくして、人生を豊かに生きる。その結果として、吃音の悩みや症状が改善する。」ことが目的で、吃音の改善は「ゴール」ではなく「ボーナス」だととらえています。
つまり、心の成長を伴うので、吃音に対してだけでなく、人生全般にプラスになるところです。

まとめ

それぞれ特色があるので、優越はつけられないですが、吃音症状に絞って改善を目指すならば吃音外来や吃音専門の言語聴覚士のサポートを受けるのが良いと思います。
吃音の不安や症状だけでなく、吃音を通して人間関係を見つめなおしたい、生き方を変えていきたい、というかたは心理カウンセリングが良いと思います。






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