カウンセリングとは何か?傾聴とは何か?について、ご説明します。
まず、相談とカウンセリングの違いについて。

カウンセリングと言うと「悩みを相談して解決するもの」と思われがちですが、
それは「悩み事相談」になります。
悩み事相談は、悩みの原因に対してアドバイスします。
例えば、職場の人間関係で悩んでいる人に対して、転職した方がいいとか
上司に報告した方がいい、などのアドバイスは「相談」になります。

それに対して、カウンセリングは、悩みから生まれる「感情」「思考」「行動」
に対し、その人特有の反応パターンや認知を見つけ、分析し、修正していくものです。
悩みの原因に対してのアドバイスはしません。


次に、治療とカウンセリングの違いについて。
よく混同されがちなのですが、治療とカウンセリングは全くの別物です。

精神的疾患のあるかたで病院で治療されているかたがいらしゃれば、まずは治療を優先して下さい。

治療の目的は、病気の状態を診断し、平常の精神状態に持っていくこと。

カウンセリングの目的は、正常な精神の人が悩んでいてより良く生きたいなど自己実現に向けて受けるもの。
心の問題、感情の問題への対応です。
治療ではなく援助です。
治療が、平常の状態にするのが目的であるのに対して、カウンセリングはカウンセリング前よりも
心の器を大きくするのが目的です。


傾聴について
傾聴(来談者中心療法)の考えについてご説明します。
傾聴の手順は
①来談者(クライアント)が、悩みを抱えてカウンセラーを訪れる。(私はリモートです。)
②カウンセラーは快く迎えて、気持ち、感情、行き詰っていることを全面的に聴き、
同時に受け止めていこうとする。
③だんだんと、その場が暖かい雰囲気になってくる。信頼関係が出来てくる。
④来談者は、徐々に自分というものを表現していくことが出来るようになる。
(批判、指示されないので、安心して自分を見つめていくことが出来るようになる)
⑤今までと違った見方、感じ方が出来るようになったり、自分が脅かされいる問題にも
目を向けていくようになる。
⑥問題に対峙したり、向き合うことが出来るようになる。

傾聴の考え方は「答えはクライアントの中にある」です。
その、クライアントの中にある答えを探すお手伝いが傾聴カウンセリングです。


吃音の治療とカウンセリングについて

①吃音の治療(臨床)と②カウンセリングの違いについてご説明します。

①治療は、 

a)医師 耳鼻咽喉科、脳神経科、吃音外来、精神科など

b)言語聴覚士 環境調整法、リッカムプログラムなど

c)臨床心理士 公認心理師などによる医学的、治療的ケア

②カウンセリングは、

a)精神的ストレスの軽減やトラウマ的経験による条件付けなどによる誤った反動形成の修正

吃音をかかえる二次的障害(社交不安)、職場や家族関係、人間関係などへの対応
悩みと共に生きていける心の器を育てること

などを行います。

吃音のカウンセリングでは、吃音を受け入れたり、悩みを傾聴しながら吃音を抱えながら生きていくことの意味付けを図ること、認知行動療法を用いて、認知のひずみを修正するのが一般的です。

私のカウンセリングでは、これに加えてマインドフルネスによる吃音の身体感覚の観察を行います。
現在、吃音の臨床では「吃音から注意をそらす」ための呼吸の瞑想(マインドフルネス)が行われていますが、
よりダイレクトに吃音時の身体感覚の観察、呼吸の観察を行います。

それと同時に、心のしなやかさ、本質を見る力を育てることを目標にして、境地を高くすることで
吃音があってもあるがままを受け入れる自己肯定感を高めていきます。
その副産物として吃音が改善、軽減することはよくあります。
なぜなら、吃音は隠したいと強く思うことが悪化の原因となるので、
吃音を問題としない境地になれば、自然と軽減してくることが多いのです。

医者や言語聴覚士の行う治療と違って、カウンセリングは扱う範囲が広いのですぐに効果が出ること期待出来ないですが、少し長い目でみれば吃音以外でも人生を豊かに出来るのがカウンセリングです。

これからも、私はしっかりと研鑽を積み、皆さんに寄り添っていきたいと思っています。