対人関係論 交流分析

交流分析とは、フロイトの精神分析を元に、エリック・バーン博士によって開発された、
人間の精神や行動の理論です。
カウンセリングとは、もともとは催眠療法から始まったと言われています。
その後、第一勢力として精神分析が生まれ、それに対しての第二勢力として
行動療法が生まれました。
行動療法は、実験心理学から生まれたもので、人間は学習された生き物であると考えます。
次に生まれたのが、第三勢力で、人間性心理学派と呼ばれます。
これは、有名な来談者中心療法、認知療法(論理療法)、ゲシュタルト療法、
自律訓練法、家族療法などが含まれます。
今盛んな、認知行動療法は、認知療法と行動療法を組み合わせたものですね。
そして、交流分析は、この第三勢力に含まれます。

精神分析は、今ほとんど行われていないと思いますが、
その理由として、時間がかかりすぎることがあります。
大体3年くらいかかるそうです。
交流分析は、精神分析をより分かりやすくしたもので、実際に役に立つので、
現在は、広く知られています。

交流分析の構成は、

①自我の構造分析 人の心の仕組みや、有様と分析するもの。人によって感じ方が違う
各々もパーソナリティーの特徴を明らかにするもの。

②交流パターンの分析 二人の間で、どんなやり取りが行われているか、会話の分析をして、対人関係の改善を図る。

③ゲーム(人間関係のトラブル)の分析 人は、幼少期に親や身近は人たちとの関係の中で、培ったトラブルのパターンがある。そのパターンをゲームと呼び、そのパターンを分析するもの。

④脚本分析 交流分析を一つの人間ドラマとしてとらえ、そのシナリオや人生早期の親子関係によって作られると考える。その親子関係によって作られた脚本を分析して、新しい建設的な脚本に書き換えようとするもの。

そして、自我の心について次のように分析します。

P ペアレント(親の心)
A アダルト(知性や経験で培われる理性、知性)
C チャイルド(子供の心)

さらに、Pは
CP クリティカルペアレント(父性、良心、正義、批判)
NP ニューチャリングペアレント(母性、同情、思いやり、温かさ)
に分かれ

Cは
FCフリーチャイルド (生まれたての自由な心、本能的、自己中心的、直観)
ACアダプテッドチャイルド(順応する心、いい子、順応、自制)
に分かれます。

人間は、自分の中に異なった3つの自分があり、それがその時々に顔を出します。
同じ状況でも、人によって全く異なった反応を示すわけですね。

ちなみに、エゴグラムというのを使うと、人それぞれの特徴が分かるのですが、
私は、NP ニューチャリングペアレント(母性、同情、思いやり、温かさ)が突出して高かったです。
母性的な性格ということですね。

交流分析では、低いところを伸ばすことがよいと言われていますが、
具体的な方法もあります。
例えば、

CP(父性、良心、正義、批判)を高めるには、「私は」を主語にする。

NP(母性、同情、思いやり、温かさ)を高めるには、動植物を育てる、相手を褒める、挨拶をする。

A(知性や経験で培われる理性、知性)を育てるには、言いたいことをストレートに言わないで、一度頭の中で咀嚼してみる。

FC(生まれたての自由な心、本能的、自己中心的、直観)を育てるには、感情を出す、ストレートに言うようにする。

AC(順応する心、いい子、順応、自制)を育てるには、聞き役に回る。

私の感じだと、吃音者はACが強くFCが弱い傾向があると思います。
つまり、順応したいい子が多く、自由で本能的直観型が少ないということですね。
私のカウンセリングでは、FC(生まれたての自由な心、本能的、自己中心的、直観)を強くするカウンセリングをしています。
つまり、感情を出す、ストレートに言うことが大切です。



この自我状態を人間関係にあてはめると

①CP(父性、良心、正義、批判)的な態度で接すると、相手のAC(順応する心、いい子、順応、自制)を刺激しやすい。

②NP(母性、同情、思いやり、温かさ)的な働きかけは、相手のFC(生まれたての自由な心、本能的、直観)を刺激しやすい。

③A(理性、知性)的な態度で接すると、相手のA(理性、知性)の反応を誘いやすい。

④FC(生まれたての自由な心、本能的、直観)的な働きかけは、相手のFC(生まれたての自由な心、本能的、直観)を誘いやすい。

となります。
カウンセリング(特に吃音カウンセリング)では、なるべくFC(生まれたての自由な心、本能的、直観)を誘いたいので、カウンセラーもFC的な態度で臨みます。

また、このPとAとCはお互いに侵略することがあります。
例えば、A(アダルト)がC(チャイルド)を侵略すると、みずみずしい子供の心を
親が抑え込む形となってしまいます。
これらの場合、PとAとCの間に「間」がとれることが大切だと言われています。
「間」とは、人間、空間、時間。全部「間」が入っていますね。
人間は、この「間」がとれなくなったときにストレスを感じます。
適度な「間」→客観視が大切だということですね。




交流分析には、キックミーのゲームというのがあります。
具体例を挙げると、
わざと時間に遅れる。
決められたルールや締め切りを守らない。
同じ間違いを起こす。
楽しい雰囲気をぶち壊す
SNSやネットのコメント欄への他者への不快なコメント。
いますよね。こういう人。(笑)

こういう人は、なぜ自分は嫌われるのか、人を怒られるのかがわからず
同じ失敗を繰り返してしまいます。
これらの原因は、「まわりから非難されることで、自分の存在を認めさせること」です。
「私を見て欲しい」という欲求の表れです。
実は、暴走族もそうです。人に迷惑をかけることで、まわりから非難を浴びるのが目的なのですね。
逆に言えば、注目されなくなるとやめてしまうでしょう。
これは、幼児期に親の愛情を十分に受けてこなかった人に多いと思います。
親から自分の存在を認めてもらえなかったので、こういう行動に出るのですね。
しかし、無意識の行動なので、自分で気づくのは難しいです。

気持ちの良い交流をするには、次のポイントに気を付けると良いでしょう。
①お互いに足りないところを補い合う交流をする。
②相手の言葉の裏に隠されている感情に反応する。
情報を聞くのでなく、底に流れている気持ちを汲み取るようにする。
③A(アダルト)の自我状態で、CP クリティカルペアレント(父性、良心、正義、批判)やC チャイルド(子供の心)の自我状態の反応をコントロールする。

人は親子関係に始まり、他者との関わりの中で成長します。
交流分析が目指すものは、自律性の確立と自分と他者とのOkーOKな人間関係作りです。













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