不安の正体。

今日は、吃音に限らず、不安の正体について書いてみます。
その前に、不安は良くないものなのでしょうか?そこも大切ですね。

結論から言うと、不安の正体は「思考」です。考えるから不安になるのです。
でも、考えること自体は悪いものではないですよね。人は考えないと、何もできません。

不安=思考と言っても、ピンとこない人も多いかと思いますので。例えてお話します。
それは、「思考」=「ChatGTP」です(実は、私も最近使い始めました。)

chatGTPは、とても人間らしい言葉を使います。まるで人と話している(チャットしている)みたいです。
だから、すごくもっともらしいと感じてしまいます。
では、その話の内容はどうでしょうか?それは、正しい時もあれば、間違っているときもあるわけです。
ChatGTPは知らないことを「分かりません」とは言いません。それなりの言葉を組み合わせて答えを出します。

またChatGTP自体に新しい発想やアイデアはありません。過去の膨大な情報から、適切と思われる答えを探してきて、人間の言語で答えてくれるだけです。
ただ、その情報量がとてつもなく大きく処理が早いため、人間の能力を超えているのですね。

ただ、欠点としては、答えが正しくなくても、言語としては正しく表現されます。そして、人間はそれに騙されてしまいます。
ChatGTPのようなAIを使うことで大切なことは,皆さんもご存じのように「答えを真に受けない」ことです。「違うかもしれない」と疑うことです。使い方次第だということですね。
一番よくないのは、100%信じてしまうことです。

先ほど、「思考」=ChatGTPと書きましたが、もうおわかりでしょうか?
そう、「思考」を真に受けないこと、信じないことが大切なのです。

つまり、「この思考は真実かもしれないし、嘘かもしれない」と気づけるかどうかなんですね。
不安が起きた時「これは思考だ」と気づくのか、不安に呑み込まれるのか、の違いです。

ただ、「思考」自体は悪いものではありません。ChatGTPと同じく我々の生活に必要なものです。
不安自体も、危険を回避するうえで生きていくことに必要です。
ただ、それが過剰になると生活に支障が出てしまいます。

ChatGTPと思考の違いは、ChatGTPは自分自身ではないので、自分と分離出来ています。
だから、気を付けていれば真に受けることは少ないです。
でも、思考は自分の一部です。思考のプロセスは体の内側なので、目に見えません。
しかも、子供のころからの能力であり、常に考えているわけですから、分離するのが難しい。

心理学では、これに対して「思考の正誤を検証する」方法と、「思考との関わり合い方を変える」方法と2種類あります。
前者が「認知療法」や「論理療法」で、後者が「ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)」や「マインドフルネス瞑想」などになります。

前者は比較的早く効果が表れます、しかし「思考」に対して「思考」の上書きをするので、常にこれを行わなければなりません。
後者は、マインドフルネスの練習をするので時間がかかります。しかし、思考より深い気づきが得られるので、もとに戻りにくいです。

もちろん、吃音の予期不安も「思考」です。ACTの場合は、「思考を観察する」というプロセスを入れて、不安に呑み込まれないようにします。

では、また!

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