言友会のセミナーを終えて。

ここのところ、立て続けに東京言友会さん、よこはま言友会さん、千葉言友会さんでACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)のセミナーを行わせていただいたので、感想を書いてみます。

まず、セミナーを行わせていただいた各言友会の皆さま、お話を聞いてくださった皆様、ありがとうございました。

ちなみに、7月は東京都小平市の市民支援講座で、一般の方向けに吃音のお話をしているところです。
こちらは、2時間×3週間=6時間という長丁場でどうなるかと思いましたが、なんとか後2時間までこぎつけました。

また、全米吃音フェスでもお話しましたので、4月から計7回もセミナーでお話しました。
この後は(多分)SCW・NPO法人日本吃音協会さんのセミナーがあり、10月は(審査が通れば)日本吃音流暢性学会のポスター発表があります。

さて、セミナーを終えての感想ですが、セミナーに向けて理論を整理したり調べたりすることで、かなり勉強になりました。
よく、アウトプットすることが大事だと言いますが、まさしくその通りで、相手に伝えるためには、自分がよく理解していなければならず、知らないうちにACTへの理解が深まっていたように思います。

セミナーの内容も、最初から随分と変化してきていて、最初の東京言友会さんのセミナーは、廣瀬カウンセリングとACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)の折衷のような内容でしたが、徐々にマインドフルネスを詳しく説明するようになり、よこはま言友会さんの時は、「マインドフルネスによる具体的な吃音改善のイメージ」を明示しました。
これは、「吃音の原因は遺伝や体質によるものが大きい」という今の知見を取り入れながらも、「自らが反応を大きくしているので、マインドフルネスで最小限に出来る」という理論を図解したものです。
これはとても分かりやすいと評価をいただきました。

また、千葉言友会さんでは、ACTの「価値」というコアプロセスに触れて、ヴィクトール・フランクルというユダヤ人の精神科医が書いた「夜と霧」という本を取り上げました。
ACTには「苦しみを回避しない」という、他の西洋心理学にはない考え方がありますが、フランクルも「苦しみには意味がある」と、この本で書いています。
苦しみを遠ざけたり、逃げたりするのではなく、そこから意味を見出し、人生の希望につなげていったときには、吃音も単なる苦しみではなく「意味」を持つようになるのだと言う考えです。
少し気になったのは、カウンセリングはあくまで自分を変えていくもの、自己を成長させていくものですが、「それでも社会が変わるべきではないか」というご意見も頂きました。
これは、よくある「改善派」と「受容派」の考え方の違いかと思いますが、もちろん社会が変わるために啓蒙活動は必要だと考えます。
それと同時に、吃音者も自分を変える努力はするべきだと考えます。
なぜなら、吃音に対する意識を変えれば、吃音の症状も変わる可能性が大きいからです。

例えば、空腹の人にパンを差し上げる。それも支援です。
さらに、本人が自らの力で食べていけるようにサポートすることは、もっと善い支援だと思います。

吃音は、この後者の支援が薄いと感じているので、今後も活動を続けていきたいと思います。

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