吃音から逃げたほうがいい?
吃音への向き合い方。
吃音の改善にはいろんな考え方があって、吃音に向き合う考え方と
吃音を意識しないほうがいいという考えがあるように思います。
向き合う考え方は、「逃げては解決にならない。しっかりと向きあうべき」
意識しない考えは、「意識するからどもる。なるべく吃音に注意を向けないようにする。」
ことかなと思います。
皆さんはいかがでしょうか?
どっちとは決められないとは思いますが、、。
私は、向き合う強さはなかったので、意識しない方でしかも忘れてしまう性格でしたね。(笑)
さて、これはどちらがいいのでしょうか?
心理学的に言えば、どちらも正解で不正解です。
向き合わないと吃音に変化はないというのは確かにそうです。
(何もしなくても治ってしまう場合もありますが、、、)
ただ、どもりの恐怖に常に打ち勝てるほど、人は強くありません。
また、向き合っても顕在意識のレベルであって、潜在意識まではなかなか変えられません。
意識しない考えは、その時はうまくやり過ごせても、潜在意識の変化はないので
吃音が改善してくることはあまりないと思います。
正解は、、、
「少し離れたところからしっかりと向き合う」です。
デソシエートとアソシエート
皆さんジェットコースターは得意ですか?
私は苦手です。(笑)
でも、離れたところから客観的に見るジェットコースターを怖いと思いますか?
思いませんよね?
これはNLPという心理学で「デソシエート」と言います。
(逆に主観的に見るのを「アソシエート」と言います。)
吃音の場合、「アソシエート」だと頭がパニックになってしまい
どもった後は、体がへとへとに疲れたり、恥ずかしい思いが残るだけになります。
「デソシエート」だと,冷静で回りも見えている状態ですね。
この状態だと比較的吃音に向き合いやすくなります。
これを、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の立場から説明すると、怖さに呑み込まれている状態が、認知的フュージョンの状態。少し離れて観察しているのが、脱フュージョンの状態と言えると思います。
吃音者の場合、ほとんどが「アソシエート」や「認知的フュージョン」の状態なので、そこから対処するのは難しいです。
例え、普段から言語訓練をしていても、パニックで使えないでしょう。
では、どうすればよいのでしょうか?
安心安全な場所が必要。
そのための一つの手段が「カウンセリング」です。
自分が、 落ち着いて吃音と向き合う時間というのは日常ではなかなか難しいですよね。
カウンセリングでは、カウンセラーが「傾聴」するので、他者の目を気にせずに、自分の吃音に安心して向き合うことができます。
昨年、カウンセリングが終結したクライアント様のご感想ですが、「安心してどもれる場所があるのが、ありがたかった」と仰っていました。
吃音への向き合い方はこれからブログにも書いていきますが
まずは、どもってもいい「安心、安全な場所と時間」を提供することが
カウンセラーの役割だと考えています。
これからも、よろしくお願いいたします。