吃音者の精神科、心療内科の選び方。

UnsplashMartha Dominguez de Gouveiaが撮影した写真

精神科と心療内科の違い。

吃音を主訴として、精神科や心療内科に行かれるかたも多いと思います。
しかし、SNSを見ると「精神科や心療内科に行ったけれど、吃音には全然対処してくれなかった」という話をよく聞きますので、心理カウンセラーとして私の知識と調べてみた内容を書いてみます。ちなみに、私自身は、精神科医や心療内科医ではなく、専門外ですので、あくまでご参考程度にしてください。

まず、精神科と心療内科の違いについて説明します。一般的に、本格的な精神病は精神科で、心療内科は精神科をカジュアルにしたようなイメージがありますが、基本的には、心にあらわれた症状が大きければ精神科で、心理的なストレスが身体にあらわれた場合(吐き気、頭痛、下痢、腹痛、血圧など)は心療内科です。
とはいっても、患者さんがどちらかを選ぶのは難しい場合もありますし、症状の出方は素人には分からないところもありますから、実際は参考程度でよいのかなと思います。
ちなみに、これはあまりしられていないのですが、日本では医師の国家資格を持ってさえいれば、歯科医以外は何医でも開業できるのです。精神疾患は、儲かると言われていて、専門でなくても、精神科、心療内科を開業したくなるそうですし、実際に問題にもなっています。特に、普通の「内科」の開業医が経営を安定させるために、臨床の経験がないのに「心療内科」の看板を出すこともあるそうです。

良い精神科、心療内科の見分け方。

私自身は、吃音で病院にかかったことはなく、実体験はないのですが、以前、物忘れがひどく、家族に言われて認知症の検査を受けに行ったことがあります。
その時に、精神科医の診察を受けましたが、時間は3~5分くらい、先生はずっとパソコンのモニターを見ていて、一度も私の顔を見ませんでした。私は心理カウンセラーで、それはカウンセラーの面接としては考えられないことなので、驚いた記憶があります。(ちなみに、認知症ではありませんでした。)

良い医者の見分け方ですが、先ほど書いた通り日本では心理の専門家でなくても開業できるので、どんな学会に入っているか?博士号を持っているか?どの大学、各部、大学院出身か?は一つの目安になるでしょう。
心理学も日々進歩していて、学会に入っていることは大事だと思います。博士号は、大学と良好な関係がないととれないそうなので、人間性を図る一つの目安になるかもしれません。
また、薬物療法だけではなく、心理療法やカウンセリングを受けたい場合は、臨床心理士や公認心理師が在籍している病院やクリニックに通う必要があります。
(医師がカウンセリングをするわけではありません。)
自分と相性が良いか?や、通いやすい場所か?も大事ですね。

こちらに、参考になりそうなサイトがあったので、、リンクを張っておきます。
精神科・心療内科クリニックの選び方とは?
こちらのサイトには、

「診察にゆっくりと時間をかけてくれるか
患者さんの話をじっくりと聞きながら診察を進めてくれるか
診察を重ねて言葉を選びながら病名を教えてくれるか
患者さんの症状の変化に合わせて薬を調節するかどうか
副作用の有無や症状の変化などを確認してくれるかどうか
患者さんの目を見て話しをするかどうか

また、主治医制であるかどうかも大事になります。
主治医制でなければまともな治療ができないのは、精神疾患という特性を考えれば明らかです。
主治医制でないところは便利で都合がよいクリニックに多いのですが、自分のためにも、主治医制のクリニックを選択するようにしてください。」

と書いてあります。確かに、これは重要だと思われます。
詳しくは、こちらのサイトをご覧ください。

精神科、心療内科の診療時間は5分。

ただ、さきほどのリンクと矛盾するのですが、あるサイトによると「厚生労働省の2007年11月の保険局医療課調によると、57施設の精神科診療所における患者一人当たりの平均診療時間は初診・再診併せて15分です。一方、大学病院や市中の大病院などの場合、一人当たりの平均診察時間は10~15分程度と言われています。」だそうです。
これは、驚かれる方も多いと思いますが、実際はそのようです。こちらのサイトをご覧ください。
精神科・心療内科5分診療の「いいわけ」と「本音」

このサイトの抜粋です「5分診療もしていかなければ経営が成り立たない制度になっているのです。そして患者さんは増えていってしまうので、必然的にギリギリの時間での診療となってしまいます。」
実際は、今の日本の保健制度からすると、この時間内でどれだけ質の高い診療ができるか?に力を注ぐしかないようですね。

吃音の受診はどうなのか?

次に、吃音を主訴とする受診についてですが、吃音を専門とする精神科や心療内科は、私は聞いたことがありません。多分ないと思います。
ただ、吃音の二次的な症状(社交不安障害やうつなど)に関しては、おもに薬物療法になると思います。心理士が在籍している病院やクリニックでは、認知行動療法などの心理療法が受けられるかもしれません。
それから、これが一番大事なところですが、障害者手帳が取れるかどうかですね。これも、吃音の知識がほとんどない医者が多いので、事前に調べてから行った方がいいと思います。吃音で障害者手帳が出せる病院は限られているので、吃音者の団体(言友会や日本吃音協会など)に問い合わせれば、教えてくれると思います。

まとめ。

吃音者が、精神科や心療内科に行く場合、吃音症状を治したいのか?不安を減らしたいのか?によって、変わってくると思いますが、主に、不安に対する対処と考えた方が良いと思います。
しかし、そもそも吃音に理解のある医者が少ないので、事前に情報を調べた方がよいと思います。(吃音の苦しみを理解されず、逆に傷つくこともあります)
同じく、障害者手帳の取得も、限られた病院でしか出してくれないので、吃音者の団体に問い合わせてから行った方が良いでしょう。



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